池之町の墨屋・春田播磨は、宝永年間 (1704〜1710) の記録「町代高木又兵門諸事控」に38軒の墨屋名があげられる中に出てくる。
しかし、文政二年 「南都製墨家名」 54軒の中には名前がなく幕末の頃には廃業していたのかも知れない。
鶴斎の覚書によれば、明治37年12月9日・古和墨十七挺を春田氏より買入、明治38年か39年頃、 古墨古鉄を65円で同じく春田氏より買入となっている。
宮武家文書の中には、春田播磨関係史料は 「家製墨譜」 「享保十八年 御墨御用録」 の2点がある。
「家製墨譜」には200余りの墨が記録されている。
「御墨御用録」は、御用墨製造過程の日記で、江戸、吹上に於て、松煙を焚く段階からの松煙墨製造作業について詳しく書かれている。
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